終活のコラム

成年後見制度について ~財産管理や契約を代行~

成年後見制度について ~財産管理や契約を代行~

ご両親と離れたところに暮らしていて、気づいた時には、父/母の[認知症]の症状が進行してしまっているということがあります。

認知症は進行性の病気ですので、症状が進めば自身のお金の管理が適切にできなくなり、

これまで積み上げてきた財産を不用意に散財してしまったり、悪意を持った人達にだまし取られてしまうと、
大切な生活資金がなくなってしまい、苦しい生活を強いられることになりかねません。

【制度の基礎知識】

① 成年後見制度とは

認知症などで、判断能力が不十分な人の[財産の管理]や[各種契約]を本人に代わって行う制度です。

2000年の介護保険制度と同時にスタートしました。
介護保険によるサービスの利用は契約ごとなので、認知症など判断能力が低下した場合は、契約が難しいためです。

(注)本人に代わっての手術の同意や、実際の介護は後見人の仕事ではありません。

※ 後見人の仕事は、本人が亡くなった時に終わります。
  葬儀、納骨などの、いわゆる「死後事務」を委任するには、別な契約が必要になります。


② 後見人の主な仕事とは

● 財産管理

成年後見人は、本人の財産について適切に管理をする役割を担います。

具体的なものとしては次のようなものが挙げられます。

㋹ 預貯金および現金の入金や出金を管理
㋹ 不動産や車など資産の管理や処分
㋹ 税金の申告と納税
㋹ 年金の申請や受取
㋹ 遺産分割協議への参加
㋹ 契約の締結および取り消し など

● 身上監護

成年後見人は、本人の生活上の安全や健康を守るために、身上監護の役割を果たします。
身上監護をおこなうために、具体的には次のようなことをします。

㋹ 病院での手続きや支払い
㋹ 医療や福祉サービスについての契約や手続き
㋹ 住居の手続きや支払い、契約
㋹ 介護保険の認定申請
㋹ 郵便物の管理 など


③ 成年後見制度の種類

● 法定後見制度

認知症、知的障害、精神障害などで判断能力が不十分な場合に利用できます。
本人、配偶者、親族、市区町村長らが家庭裁判所に後見開始の申し立てをします。
家庭裁判所が成年後見人を選び、後見が始まります。後見制度の利用者はこの法定後見が大半です。
成年後見人のほか、より権限の狭い保佐人、補助人もいます。

● 任意後見制度

元気なうちに自分が信頼できる人との間で、判断能力が低下した場合に備えて、財産管理などの任意後見契約を結んでおく制度です。


≪法定後見制度と任意後見制度の違い≫

 法定後見制度は、支援する人(成年後見人、保佐人、補助人)を誰にするかは家庭裁判所が決めるのに対し、
 任意後見制度は、本人自らが誰に支援してもらうかをあらかじめ決めることができます。

 法定後見制度は、成年後見人等の権限や職務の範囲が法律や家庭裁判所によって定められることと比較すると、
 任意後見制度は、「自分で」「自分を支援してくれる人と支援を希望する内容を決める」ことができる点で、
 より自分らしく生きることができる制度であると言えます。


④ 成年後見人は誰に受けてもらえるのか

全国的には、後見人は本人の子どもや配偶者ら親族が26・2%で、親族以外の第三者が73・8%です。
第三者は「司法書士」が最も多く、次いで「弁護士」、「社会福祉士」など専門職後見人が目立ちます。


⑤ 後見を依頼する場合の費用は

㋹ 成年後見制度の申立にかかる手数料は800円で、収入印紙で家庭裁判所に支払う。
㋹ 申立手数料以外にも、成年後見人を法務局に登録する登記費用や、成年後見制度利用者本人の判断能力を示す
  医師の診断書発行費用などがかかる。
㋹ 家庭裁判所で、制度利用者本人の判断能力について詳しい鑑定が必要だと判断した時は、鑑定費用がかかる。
  医療機関によっても異なるが10万円程度。
㋹ 成年後見人が弁護士や司法書士などの専門家のときは、毎月報酬が発生する。
㋹ 成年後見人に監督人が必要と判断されるときは、弁護士などの専門家が選任されることが一般的。その場合も、毎月報酬が発生する。


◇ もしも、経済的に困窮していて、後見制度に係る費用を用立てできない場合は?

成年後見制度の申し立て費用や、報酬の支払いに【自治体の支援制度】が活用できます。

被後見人自身の財産が少なく、家族も費用負担ができない場合に支援を受けられる助成金です。
身寄りがなく、申し立てを行うことが困難な場合でも地方自治体が申し立てを行えます。

成年後見制度の手続きや費用、報酬で何か悩みがあれば、各市区町村役場の福祉課に相談しましょう。
相談窓口がありますので、要件を満たせば受けられる助成金についてアドバイスがもらえます。


⑥ ④の補足

なお、親族、専門職のほか最近、一般市民による「市民後見人」が注目されていますが、数はまだごくわずかです。

「市民後見人」とは、自治体が実施する養成研修を受講するなどして成年後見人等とし て必要な知識を得た一般市民の中から、
家庭裁判所が成年後見人等として選任した方です。

市民後見人には、例えば、後見人となる親族がいないような場合でも、身近な存在として、本人の意思をより丁寧に把握しながら
後見等事務を進められる強みがあります。

⑤で記したように専門職後見人は費用が発生しますが、市民後見人は原則「無報酬」です。


⑦ 制度に関する相談や具体的な手続きはどうしたらいいのか

お住まいの自治体の「福祉課(地域包括支援センター)」か、「社会福祉協議会」に相談してみましょう!

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